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ウェブアクセシビリティへの取り組みが進んでいる業界はどこか?
こんにちは!ネモフィラ営業Hです。
今年の4月に改正された障害者差別解消法が施行され、障がいを抱える人が生活の中で直面する困りごとについて、「不当な差別的な取扱い」の禁止と「合理的配慮」の提供が行政機関だけではなく、事業者にも求められるようになりました。それに関連してウェブアクセシビリティについても取り組みが言及される機会が増えました。
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■合理的配慮の提供とウェブアクセシビリティの関係性って?
内閣府が示している、合理的配慮と環境の整備の考え方にあるように、障害者から支援を求める申し出があれば合理的な配慮を提供し、改良していくこと(=環境の整備)が求められます。
参考:障害を理由とする差別解消の推進に関する基本方針
https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai/kihonhoushin/iken.html
この「環境の整備」の一環としてウェブアクセシビリティの積極的な取り組みを総務省及びデジタル庁などが推進しています。
■取り組みについて業界ごとに調査してみました
しかし、実際どれくらいの企業がウェブアクセシビリティに取り組んでいるのでしょうか。
自社の商品紹介やホームページへの導線を目的としたインターネット広告に積極的な業界であれば、ウェブアクセシビリティについても積極的に取り組んでいるのではないかと考え、電通グループが発表している「2023年 日本の広告費」からインターネット広告費が多い10の業界各15社(計150社)について自社で独自に調査した結果を今回グラフにしてみました。
参考:2023年 日本の広告費│業種別広告費
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2024/0227-010688.html
調査について
調査方法としては、各社のコーポレートサイト上でウェブアクセシビリティに係る試験結果や対応方法、目指す目標レベル等が記載されているか否か、つまりウェブアクセシビリティへの対応方針についてコーポレートサイト上で記載されているか否かで判断し、記載がある場合は“記載あり”、対照的にウェブアクセシビリティへの対応方針の記載がない場合を“記載なし”と分類しています。
調査結果
■ウェブアクセシビリティへの取り組みが進んでいる業界はどこか?
金融・保険業界と薬品・医療用品業界という2つの業界で、今回の調査で“記載あり”とされる、コーポレートサイト上で、ウェブアクセシビリティへの対応方針が記載されている企業が7割以上を占め、業界としてウェブアクセシビリティへの取り組みが進んでいることが明らかになりました。
その一方で、外食業界、不動産業界、自動車業界、流通小売業界、食料品業界では、ウェブアクセシビリティへの対応についての記載がない企業が7割以上と取り組みが進んでいないということも明らかになりました。
この結果は、インターネットを通じて取引や口座開設などの手続きをする機会が増えた金融・保険業界、けがや病気と言った何らかの不自由がある方へ提供する製品を扱うことが多い薬品・医薬品業界、などウェブアクセシビリティに対する関心の違いが表れたものだと考えられます。
そして記載なしが多い結果となった業界についても、ウェブアクセシビリティへ対応すること自体が障害の有無に関わらず、多くの人に使いやすさ、読みやすさに繋がることが多く有用性があることから、今回の法改正をきっかけに、ウェブアクセシビリティへの対応とその方針や結果について記載する動きが進み、今後積極的にウェブアクセシビリティへ取り組み始めると予想されます。
■ウェブアクセシビリティへの取り組みは始まっています
今回ウェブアクセシビリティへの取り組みが進んでいる業界と進んでいない業界に言及しましたが、それ以外の業界でもウェブアクセシビリティについて取り組みがあるという結果が得られました。
今後もウェブアクセシビリティについての取り組みは急速に進んでいくものと予想されます。この機会にウェブアクセシビリティについて考えてみませんか。
ネモフィラは企業様のサイトにおけるウェブアクセシビリティ診断サービスを提供しております。ご質問も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。