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アクセシビリティとは何か


ネモフィラではISSOでウェブアクセシビリティ(以下アクセシビリティ)の検証ができることを強みとして打ち出していこうと計画しています。
社内でも、アクセシビリティって何?という声を見聞きました。
IT業界に身を置く我々でもそんなレベルなので一般の方にはもっと知名度がないと思います。

そこで今回は社会で求められている割にはいまいち知名度のないアクセシビリティ、アクセシビリティ対応についてを皆さんにわかりやすいようになるべくかみ砕いて解説いたします。

アクセシビリティって何?

Accessibility = Access + Ability
アクセシビリティは、英語では“Accessibility”で、「近づきやすさ」、「利用のしやすさ」、「便利であること」などと訳されています。 一般的には、「利用者が機器・サービスを円滑に利用できること」という場合に使われています。

アクセシビリティを簡単にいえば、「年齢や障害の有無などにかかわらず、誰もがどんな状況下でも、Webサイトを問題なく利用できるようにすること」です。

アクセシビリティを確保することで、障害のある人や高齢者、色覚特性のある人など多くの人がWebを介して情報を入手したり、デジタルサービスを利用できるようになります。
アクセシビリティを確保されることにより恩恵を受けるのは日本だけで少なくとも428万人以上と言われております。

アクセシビリティが民間企業でも義務化へ

<アクセシビリティ確保の根拠となる法律>

法律の名称関連項目
障害者基本法第3条の3
全ての障害者にとって情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大が図られるよう定める
障害者差別解消法第7条、第8条
それぞれの障害者に対して、その状況に応じて個別に実施される合理的配慮の提供について定める
第5条
不特定の障害者を対象に、事前に改善措置を図る環境の整備について定める

もともとは公的機関に対して義務化された取り組みでした。
しかし、障害者差別解消法が改正されたことで、令和6年4月1日から施行され、民間企業でも義務化されることとなりました。
日本の民間企業のアクセシビリティへの対応は4.6%と知名度の低さゆえか非常に厳しい数字が出ていますが、
急速に少子高齢化していく現代、アクセシビリティ対応は民間企業のスタンダードになっていくと思われます。
質疑応答する画像

アクセシビリティ対応について

法律が変わって、アクセシビリティが民間でも必要なのは分かったけど、サイトでアクセシビリティって具体的に何をしたらいいの?何を基準にしているの?規格ってあるの?という疑問が出てきたかと思います。
次項でできるだけかみ砕いて説明いたします。

アクセシビリティには国際規格、国内規格の2つがある

アクセシビリティ規格は二種類あります。
■ WCAG 2.0
W3C(WEB技術の標準化を目的に設立された団体)が定めるアクセシビリティのガイドラインで国際規格として使用されている。
■ JIS X 8341-3:2016
日本国内におけるJIS(日本産業規格)にもとづいてアクセシビリティを規定したもので、内容は「WCAG 2.0」と同一です。

基本的には、WCAG 2.0とJIS X 8341-3:2016は統一規格のため二つの規格の内容はほぼ一緒と考えて構いません。
ただ国内でガイドラインを決定している「ウェブアクセシビリティ基盤委員会」の規格に準じる場合、
JISが規格となりますのでJIS X 8341-3:2016をサイトの規格とする方が無難です。
参考→ウェブアクセシビリティ基盤委員会

アクセシビリティの種類

アクセシビリティには、「知覚可能」「操作可能」「理解可能」「堅牢」の4つの原則と、
アクセシビリティを向上させるための目標にあたる12のガイドラインで構成されています。さらに、ガイドラインを細分化した61の達成基準があります。
参考→JIS X 8341-3:2016 達成基準 早見表(レベルA & AA)

達成等級

アクセシビリティにはA、AA、AAAの三段階の達成等級が設けられています(WCAG、JIS共通)、
Webサイトで達成率を掲示する場合は「アクセシビリティ等級の提示」が必須とされています。
民間のサイトではA準拠を目標とすることが推奨されています。AAA準拠は機能に制限が出るため民間では推奨されません。

レベルAレベルAAレベルAAA
民間企業の目標等級官公庁・自治体の目標等級高度な基準(特殊なサイト向け)

すごい要約すると

・アクセシビリティとは誰もがWebサイトを利用できるようにすること。
・民間サイトもアクセシビリティ対応義務化。
・国際規格(WCAG)、国内規格(JIS X 8341-3:2016)がある。国内では国内規格のほうが規格として無難。
・どちらの規格にも等級があり、民間サイトではレベルA準拠を達成等級として目標にするのが推奨されている。

できるだけ専門知識を除き、わかりやすい言葉を心がけましたがどうでしょうか?
少しでも理解の一助となれば幸いです。

自動検証ツール「ISSO」ではアクセシビリティ診断が可能です。

自動検証ツール「ISSO」には一般的なアクセシビリティ診断ツール「Lighthouse」「michecker」と同様の機能があります。
国際規格(WCAG)、国内規格(JIS X 8341-3:2016)で、全ページ一括でチェックが可能(AAAまで対応可)です。
※「JIS X 8341-3:2016」で検証する際には時間がかかります(今後、改善予定)
興味を持った方はこちら
ISSO導入検討の方はこちらから→自動検証ツール「ISSO」